鉄脚デスクのご注文について [家具]
〈写真〉制作中の鉄脚デスク
少し前に、こんなお問合せを頂きました。
お客様 「机の天板になる古い板は既にあるので、脚のみ4本、鉄でつくって貰えないでしょうか?」
caravan 「では、その板をこちらでお預かりできますでしょうか?」
お客様 「そちらに一旦、預けないと無理なんでしょうか?」
caravan 「そうですね~、板のサイズとか反りとか、木目とか割れとかそういったものを
こちらで見させて頂いて、それで最適なように脚を制作して取り付けたいもの
ですから-。」
結局、この見積りの件はお流れとなりました。
確かに脚だけ4本作って、販売するという方法もありはありです。
いかんせん、それだけでは…、という制作する側としての躊躇も-。
(その板がどんなものなのかも見ずに売ってよいものか…)
木の板というのは、それぞれにクセというものがあります。
また、切り倒されて、加工されても息をし続けます。
長い間に反ったり、曲がってきたり…なんていうことも起こり得ます。
脚のみで支えるのではなく、掛かる重力を幾つもの方向に分散させて、鉄のベースと板を
固定する。そうすることによって、反りや曲がりというのは極力抑えられるようになります。
「見た目やかっこうや、デザインの前にまずは、木と鉄の特質をよく考え、構造を理解し、
家具を制作せよ。」
これは私の師匠の言葉です。
studio caravanの元々の母体は重量鉄工の建築を主に行っている鉄工所。
建物が長い間のうちに、ひしゃげて来たり、傾いて来てはどうしようもないですからね。
そういった建築の世界で用いる構造力学的なるものを家具作りにも応用して、製作している
訳なのです。大量に作って売ることができない、とても非効率的な制作方法…
なのかもしれません。
100年先まで親から子へ、子から孫の代まで引き継がれて行くような、そんな愛される
鉄の家具を作って行きたいと、不器用なわたくしは思っております。
少し手間かもしれません。でも、一生ものの家具をオーダーするというつもりでお気軽に
ご相談頂けたら幸いに思います。
●お問合せ:info@studio-caravan.net
●トップページ:http://www.studio-caravan.net
2012-01-25 23:10
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